高枕（読み）たかまくら

精選版 日本国語大辞典

たか‐まくら【高枕】

〘名〙

① 高くつくった枕。日本髪を崩さないためや産婦などが血を頭に上げないために用いた。こうちん。

※俳諧・望一千句（1649）「かたはらに足さし出し高枕 血の道おこりさすらるる人」

② (━する) 枕を高くして寝ること。心配もなく安心して眠ることにいう。転じて、安心しきって注意しないことのたとえ。こうちん。

※今昔（1120頃か）二五「大郎介、物食ひ畢て、高枕して寝ぬ」

こう‐ちん カウ‥【高枕】

〘名〙 高く作った枕。また、枕を高くして眠ること。心やすらかに眠ること。たかまくら。

※蘭亭先生詩集（1758）三・早春「歳華高枕処、依_レ旧掩_二柴扉_一」 〔戦国策‐魏策・哀王〕

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

たか‐まくら【高枕】

１ 木枕の上に小さなくくり枕をつけたもの。日本髪の髪形の崩れるのを防ぐために用いられた。箱枕・舟底枕など。
２ 枕を高くして寝ること。何も心にかけずぐっすり眠ること。安心しきっていることのたとえ。「放火犯がつかまったので高枕で眠れる」

出典　小学館

普及版 字通

【高枕】こう（かう）ちん

安んじて眠る。安心する。〔戦国策、斉四〕狡に三窟り。かに其の死をるるを得るのみ。今、君一窟るも、未だ枕を高くして臥するを得ざるなり。

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出典　平凡社「普及版 字通」