高平=ルート協定(読み)たかひら=ルートきょうてい(英語表記)Root-Takahira Agreement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高平=ルート協定」の意味・わかりやすい解説

高平=ルート協定
たかひら=ルートきょうてい
Root-Takahira Agreement

1908年 11月 30日に成立した日露戦争後の太平洋,中国問題に関する日米間の協定。正式には「太平洋方面に関する日米交換公文」という。駐米大使高平小五郎とアメリカ国務長官 E.ルートとの間で交換された外交文書から成り,そのおもな内容は,太平洋地域における両国現状維持,相互の領土尊重,清国の独立領土保全,商業上の機会均等主義の尊重などである。この協定によって日本はフィリピンなどに対する領土的野心がないことを表明し,またアメリカは満州における日本の特殊権益を暗に認めている。日露戦争後の日米関係の対立解消の一手段となった。

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百科事典マイペディア 「高平=ルート協定」の意味・わかりやすい解説

高平=ルート協定【たかひらルートきょうてい】

日露戦争後の太平洋方面での現状維持と,清国における商工業の機会均等主義の擁護目的とした日米間の協定。1908年11月駐米大使高平小五郎と国務長官ルートとの交換公文で成立。

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世界大百科事典(旧版)内の高平=ルート協定の言及

【ルート】より

…ニューヨークで弁護士開業後,陸軍長官(1899‐1904)として陸軍の近代化に貢献。1905年セオドア・ローズベルト政権下の国務長官(1905‐09)に任命され,中国における門戸開放と太平洋における現状維持を確認した〈高平=ルート協定〉(1908)を日本との間に締結した。09‐15年ニューヨーク州選出上院議員となり,10年ハーグ国際仲裁裁判所判事にも就任。…

※「高平=ルート協定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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