高市(読み)タケチ

デジタル大辞泉 「高市」の意味・読み・例文・類語

たけ‐ち【市】

《「たかいち」の音変化》土地の高い所にある市。
大和のこの―に小高る市の高処つかさ」〈・下・歌謡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「高市」の意味・読み・例文・類語

たけち【高市】

[1] 〘名〙 (「たかいち」の意) 土地の隆起した高い場所にある市。
古事記(712)下・歌謡「倭(やまと)の この多気知(タケチ)に小高る 市の高処(つかさ)
[2]
[一] 奈良県(大和国)北西部、高市(たかいち)郡の古称
万葉(8C後)四・四八七・左注「右今案 高市崗本宮後崗本宮二代二帝各有異焉」
[二] 茨城県(常陸国)の久慈川河口付近にあった古郷。
常陸風土記(717‐724頃)久慈「謂はゆる高市(たけち)、此より東北のかた二里に」

たかいち【高市】

奈良県中西部の郡名。奈良盆地南部にあり、大和・飛鳥時代政治文化中心。古くは興福寺東大寺荘園が多かった。昭和三一年(一九五六北部町村が合体して橿原市成立。現在は高取町明日香村とからなる。古くは「たけち」と称した。

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世界大百科事典(旧版)内の高市の言及

【井戸】より

…《万葉集》にも,〈山の辺のみ井を見がてり神風の伊勢をとめども相見つるかも〉とうたわれていて,いわゆる井戸端に,多数の女たちが集まっている情景がみられた。《常陸国風土記》によると久慈郡高市(たけち)は,密筑(みつき)の里といい,里の中に浄泉(いずみ)があって〈大井〉とよばれていた。そして夏になると,遠近から男女が集まってきて大井のまわりで遊び楽しんだとある。…

※「高市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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