精選版 日本国語大辞典 「骨張・骨頂」の意味・読み・例文・類語
こっ‐ちょう ‥チャウ【骨張・骨頂】
① (━する) 意思が強く、角だつこと。強く主張すること。言い張ること。
※玉葉‐治承四年(1180)八月八日「依二此一言一、更起二励心一、被二骨張一云々」
※随筆・折たく柴の記(1716頃)中「其余党等以の外に骨張(コツチャウ)し」
② (━する) もっとも強く主張すること。また、その人。張本(ちょうほん)。また、発願人。
※高野山文書‐(年未詳)(鎌倉)正月一五日・中原親能書状「御領中御家人等、不レ可レ勤二仕其役一之由、令二骨張一候云々」
③ (━する) 公然ととり行なうこと。実行すること。
※建治三年日記(1277)七月二五日「為二御家人子息一、属二青蓮院一、令レ骨二張悪事一之由、負二梨下訴一之条、非二穏便之儀一」
④ (形動) 程度がもっともはなはだしいこと。この上ないこと。また、そのようなさま。近世ころから、多く、悪くいう場合に用いられる。
※明衡往来(11C中か)下末「製作之体太以骨張也。不レ混二凡流一」
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一五「定めし馬鹿の骨頂だらう」
⑤ (形動) (━する) 未熟なところがなく、すぐれていること。そのような人。また、そのようなさま。特に、粋(いき)なこと。骨皮(こっぴ)。
※日葡辞書(1603‐04)「Cocchǒ(コッチャウ)スル〈訳〉ある事に熟達し高い資格を得る」
※滑稽本・大千世界楽屋探(1817)標目「古狸の兀頂(コッチャウ)同(ひとつ)穴の狐狢(むじな)と往時を語る」
[語誌](1)「骨張(ほねば)る」の音読から生じたとされるが、「ほねばる」という語は例が少なく、古い確例がない。
(2)「骨張」は、「玉葉」「吾妻鏡」などの記録体の文献に比較的多く見られ、記録語であったと考えられる。
(2)「骨張」は、「玉葉」「吾妻鏡」などの記録体の文献に比較的多く見られ、記録語であったと考えられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報