騎士党(読み)きしとう(英語表記)Cavaliers

改訂新版 世界大百科事典 「騎士党」の意味・わかりやすい解説

騎士党 (きしとう)
Cavaliers

イギリスピューリタン革命期の国王派に対する別称騎士主力であったところからこう呼ばれた。元来の国王支持者のほかに,1641年の〈大抗議文〉の提出を契機に,これまで国王の専制を批判していた穏健分子が加わって形成され,翌年からの内乱を戦った。貴族,ジェントリーなどの土地所有者を主体に,国教会信徒のほかにカトリック教徒も加わり,イングランド北部西部を主たる地盤にした。内乱には敗れたが,1660年の王政復古によって権力の座に復帰し,翌年の議会は彼らが多数を占めたため〈騎士議会〉と呼ばれた。
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百科事典マイペディア 「騎士党」の意味・わかりやすい解説

騎士党【きしとう】

英国ピューリタン革命における国王支持者の別称。騎士以上の貴族が多かったことからの命名。国教徒のほかカトリック教徒も加わり,北部と西部が支持基盤であったが,内乱には敗北。1660年の王政復古によって返り咲き,翌年の議会は彼らが多数を占めたため,〈騎士〉議会と呼ばれた。
→関連項目円頂党

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「騎士党」の意味・わかりやすい解説

騎士党
きしとう
Cavaliers

イギリスの清教徒革命において,貴族,騎士の多かった国王派につけられた呼称議会派円頂党に対する名称

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「騎士党」の解説

騎士党(きしとう)
Cavaliers

ピューリタン革命における国王派につけられた名称。その主力が騎馬の貴族からなっていたためともいうが,名称の由来はさだかではない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「騎士党」の意味・わかりやすい解説

騎士党
きしとう

王党派

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世界大百科事典(旧版)内の騎士党の言及

【ピューリタン革命】より

…和平交渉は決裂して,8月第1次内乱が始まる。ここに相戦うことになった議会派(円頂党)と国王派(騎士党)の両派は,地域的にみて前者がロンドンを中心とする先進的な東部・南部,後者が遅れた西部・北部を勢力基盤にし,宗教的には前者ではピューリタンが主体となり,後者では国教徒が大半を占め一部にカトリック教徒も加わっていた。また社会層の点では,国王派についたのは貴族およびジェントリーの大部分とそれに従った農民であり,議会派を構成したのは,貴族およびジェントリーの一部,ヨーマン,さらには商工業者であった,とする同時代人の証言もある。…

※「騎士党」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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