騅逝かず(読み)すいゆかず

精選版 日本国語大辞典 「騅逝かず」の意味・読み・例文・類語

すい【騅】 逝(ゆ)かず

(漢の高祖のために垓下(安徽省霊璧県の東南)に囲まれた項羽が、帳中で虞美人を前にしてうたった「垓下歌」、「力抜山兮気蓋世、時不利兮逝、騅不逝兮可奈何、虞兮虞兮奈若何」から) ものごとが思い通りにゆかず、苦境に陥ること。頼りにしていたものがうまくゆかないこと。最後の土壇場に追いこまれること。
謡曲・蟻通(1430頃)「足をも引かず騅行かず、虞いかがすべき便りもなし」

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デジタル大辞泉 「騅逝かず」の意味・読み・例文・類語

すいかず

垓下がいかの戦いで漢軍に包囲された項羽が、愛馬が歩み出さないのを嘆いたという、「史記」項羽本紀の故事から》志と違って物事が思いどおりにゆかず苦境に陥るたとえ。
[類語]ままにならぬが浮世の常花は折りたしこずえは高し

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