駒ヶ岳(神奈川県)(読み)こまがたけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「駒ヶ岳(神奈川県)」の意味・わかりやすい解説

駒ヶ岳(神奈川県)
こまがたけ

神奈川県南西部、足柄下(あしがらしも)郡箱根町のほぼ中央にある山。標高1327メートル。三重式火山の世界的モデルである箱根火山の中央火口丘の一つで、溶岩円頂丘トロイデ)である。頂上には樹木がなく、相模(さがみ)湾、伊豆諸島、三浦・房総(ぼうそう)両半島、湘南(しょうなん)・京浜両都市群、また富士山、南アルプスなどにわたる展望が広大。山の名は、山頂の馬乗石(箱根七名石の一つ、約4メートル四方、高さ約2メートル)の上に白馬が現れたという伝説による。頂上に駒形神社(箱根元宮神社)が祀(まつ)られ、駒ヶ岳の地主神。これは大磯(おおいそ)町の高来(こうらい)神社(もと大磯高麗権現(ごんげん))の分霊とされ、古代に畿内(きない)から関東へ移住させられた朝鮮系渡来人が箱根へ入山、開拓したことを物語り、日韓交流史研究上の要地をなす。山頂へは芦(あし)ノ湖畔の箱根園からロープウェーで8分。かつては山頂にスケートセンターがあり駒ヶ岳登り口駅からケーブルカーが運行していたが、現在は廃止された。

[浅香幸雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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