駒ヶ岳(甲斐)(読み)こまがたけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「駒ヶ岳(甲斐)」の意味・わかりやすい解説

駒ヶ岳(甲斐)
こまがたけ

山梨・長野県境、赤石山脈(あかいしさんみゃく)北部の高峰。標高2967メートル。黒雲母花崗(くろうんもかこう)岩からなる。甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)、甲斐駒などともよばれ他地方の駒ヶ岳と区別する。北および東斜面に大構造線が走り、きわめて急峻(きゅうしゅん)な山である。主峰の東方に摩利支天(まりしてん)、北西に坊主(ぼうず)山の2岩壁をもつために、見る方向により著しく山容を異にする。駒ヶ岳からの稜線(りょうせん)は北西に南アルプスの奇山、鋸(のこぎり)山に至るもののほかに、南の駒津岳から南東に延び、仙水峠を経て鳳凰(ほうおう)三山、さらに夜叉神(やしゃじん)峠方面に至るもの、駒津岳からさらに南に延びて北沢峠を経て仙丈ヶ岳に至るものがある。独立峰であり、南アルプス、富士山、八ヶ岳(やつがたけ)、中央・北アルプスの展望台としても知られる。巨大な岩壁をもち、高山植物ゴゼンタチバナミヤマエンレイソウなど)にも恵まれ登山者も多い。古来信仰の山で登山コースは山梨県北杜(ほくと)市白州(はくしゅう)町方面からとられたが、最近では広河原(ひろがわら)から南アルプス林道通り、北沢峠、あるいは仙水峠経由が一般的となっている。

吉村 稔]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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