馬良(中国の教育家、政治家)(読み)ばりょう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

馬良(中国の教育家、政治家)
ばりょう / マーリヤン
(1840―1939)

中国の教育家、政治家。本名は馬建常。江蘇(こうそ/チヤンスー)省鎮江(ちんこう)の人。1852年上海(シャンハイ)の徐匯(じょわい)公学に入り、のち耶蘇(ヤソ)会初学院に入り、1871年には神学博士となる。家は代々天主教徒で、彼も数年伝道生活をした。1873年には徐匯公学校長となり、1903年には徐家匯に震旦学院を、1906年には呉淞(ウーソン)に復旦公学を創設した。一方、1875年に耶蘇会を退出すると、李鴻章(りこうしょう)の命を受けて洋務に従事し、朝鮮、米、英、仏、で活動したほか、日本では1881年(明治14)に神戸領事、1892年に長崎領事、ついで駐日公使館参与となり、1905年、清(しん)国留学生取締規則をめぐる反対運動に対処するために再来日した。1911年の辛亥(しんがい)革命後は南京(ナンキン)府尹などを務め、1913年には北京(ペキン)大学校長となり、1939年ベトナムのランソンで没した。

[深澤一幸]

『張若谷編著『馬相伯先生年譜』(1939・商務印書館)』

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