馬肉(読み)ばにく

食の医学館「馬肉」の解説

ばにく【馬肉】

《栄養と働き&調理のポイント》


 九州や信州などの産地以外では、あまり一般の食卓に上りませんが、最近ではヘルシーな食肉として人気上昇中。国産のほか、カナダやアルゼンチンからも輸入されています。
○栄養成分としての働き
 馬も牛肉、豚肉などと同様、良質の動物性たんぱく質に富んだ食品ですが、脂肪の量はずっと少なく低エネルギーという特徴があります。
 また、鉄の含有量は牛肉よりもさらに豊富で、しかも造血ビタミンのB12が多く、貧血や冷え症の人にとっては、まさに絶好の食品。虚弱体質、疲労倦怠(ひろうけんたい)、病後の衰弱や食欲不振の改善にも高い効果を発揮します。
 血行を促進し、粘膜(ねんまく)を丈夫にするナイアシンも比較的多く含んでいますから、動脈硬化や血栓症(けっせんしょう)の人も、積極的に料理に取り入れましょう。
 肥満ぎみの人やコレステロール値の高い人に安心してすすめられるのも、馬肉のよいところです。
 馬肉にはグリコーゲンが多く含まれるため、ほのかな甘みがあります。その甘みを生かし、独特のにおいを消すのが、おいしく味わうコツ。甘辛い割り下で煮た桜鍋薬味を利かせた馬刺しが代表的料理法です。
○注意すべきこと
 料理にバターなどを多用しては、せっかくの低脂肪も無意味ですから、油の使い方に注意しましょう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「馬肉」の解説

馬肉
ばにく

食用ウマの肉。俗称としてさくら肉蹴飛(けと)ばしともいわれる。肉色は牛肉に似ている。馬肉の食用はあまり一般的ではないが、長野県松本や熊本県では古くから食用の習慣がある。ほかには、ソーセージ、ニューコンビーフ、プレスハムなどの加工品に用いられる。馬肉の特徴は、脂質が2.5%とたいへん少ないので味は淡泊なことである。筋肉中のグリコーゲンが牛肉や豚肉に比べて多く、そのため馬肉はグリコーゲンのもつ甘味がある。馬肉を煮たときに泡だつのもこのグリコーゲンによる。特有のにおいがあるので、調理ではみそ、ショウガ、ネギなどをにおい消しとして用いる。馬肉の料理としては、さくら鍋(なべ)と馬刺しが有名。さくら鍋は馬肉を用いたすき焼きで、だし汁にしょうゆ、砂糖、みりんをあわせた割下を用い、馬肉とみそを加えて煮る。長ネギ、糸こんにゃく、豆腐、シュンギクなどの材料も加えて煮ながら食べる。馬刺しは、ロース肉の部分を薄切りにし、しょうがじょうゆで食べる。

[河野友美・大滝 緑]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「馬肉」の解説

馬肉
ばにく
horse meat

食肉に用いられる馬の肉。他の食肉に比べて筋繊維が太く,赤み色が強い。蛋白質含有量は畜肉中で最も多く 20.5%,脂肪は 3.7%である。保水力は弱い。加工用としては2~4歳の脂肪の少い色の淡い若馬の肉が適している。

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百科事典マイペディア「馬肉」の解説

馬肉【ばにく】

桜肉と俗称。脂肪分が少なく独特のくせをもつが,タンパク質とグリコーゲンに富む。多くショウガなどとともに調理され,鍋(なべ),缶詰肉などにされる。

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精選版 日本国語大辞典「馬肉」の解説

ば‐にく【馬肉】

〘名〙 食用の馬の肉。さくら肉。
※読本・椿説弓張月(1807‐11)残「われ馬肉(バニク)を食はざれども」 〔説苑‐政理〕

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デジタル大辞泉「馬肉」の解説

ば‐にく【馬肉】

食用の馬の肉。桜肉さくらにく

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栄養・生化学辞典「馬肉」の解説

馬肉

 ウマの肉.食用にする.

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世界大百科事典 第2版「馬肉」の解説

ばにく【馬肉】

桜肉ともいう。ウマは,ウシヤギヒツジブタ家畜化された時代よりも遅く,前3000年ころ家畜化された。ウマは家畜化された後も役用,乗用,とくに戦闘用としてたいせつに取り扱われ,食用にされることは比較的少なかった。古代エジプトやインダス文明では,ウマは軍神化身としてあがめられ,馬肉を食べることは一般に禁じられていた。古代ゲルマン人は馬肉を食べていたが,キリスト教の影響によってしだいに食べなくなった。

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世界大百科事典内の馬肉の言及

【ウマ(馬)】より

…駄載の場合は常歩の労役で体重の1/3くらいとされている。(2)馬肉 さくら肉とも呼ばれ,暗赤色で脂肪が少なく結締織が多い。グリコーゲンの含量が高く甘みが強い。…

※「馬肉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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