馬廻組(読み)うままわりぐみ

精選版 日本国語大辞典 「馬廻組」の意味・読み・例文・類語

うままわり‐ぐみ うままはり‥【馬廻組】

〘名〙 主将の乗った馬の周囲にあって警護役目とする騎馬の侍。戦国時代末期に職制化され、特定の者が任命されるようになった。江戸時代には、組頭に統率される騎馬隊で、一組の定員は四、五〇人が普通であったが、のちには組数を減じ、組の員数を増す傾向があった。馬廻馬廻衆
※蒲生氏郷記(1644頃か)「扨旗本馬廻組・小性組。跡備は関忠五郎何も備押」

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デジタル大辞泉 「馬廻組」の意味・読み・例文・類語

うままわり‐ぐみ〔うままはり‐〕【馬×廻組】

馬廻り2」に同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬廻組」の意味・わかりやすい解説

馬廻組
うままわりぐみ

中世近世に主将の馬側に近侍して護衛にあたった騎馬の武士、およびその職名。南北朝時代には単に主将の傍ら供奉(ぐぶ)する武士をいったが、戦国時代末期から職制化され、とくに武功の者が任命されて、数組に編成されそれぞれに組頭が置かれるようになった。豊臣(とよとみ)家では7組に編成されて七手組(しちてぐみ)と称し、江戸幕府では小姓組(こしょうぐみ)と称して6組あり、各組に4000石高の番頭(ばんがしら)1名、1000石高の組頭1名、300俵高の番士50名がおり、平時には江戸城内の警備などにあたった。諸藩でも馬廻組、小姓組、大小姓組などと称して設置されていた。近世中後期に実戦部隊としての価値がなくなると、主君に近侍する格式として、上級家臣の閑職となったところもある。

[根岸茂夫]

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世界大百科事典(旧版)内の馬廻組の言及

【馬廻】より

…織田信長が彼の馬廻のなかから戦功の者20人をもって〈母衣衆〉を定めるなどのこともあった。江戸時代には幕府や藩に馬廻組が置かれ,組頭に統率された騎馬隊として,1組40‐50人を定員としたが,のちには組数を減じ,組の員数を増す傾向が生まれた。馬廻組を小姓組とも言う。…

※「馬廻組」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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