日本大百科全書(ニッポニカ) 「香川」の意味・わかりやすい解説
香川
かがわ
香川県中部、香川郡にあった旧町名(香川町(ちょう))。現在は高松市(たかまつし)の南西部を占める一地区。1955年(昭和30)大野、浅野、川東(かわひがし)の3村が合併して成立。2006年(平成18)高松市に編入。花崗(かこう)岩の山地と香東(こうとう)川の形成した扇状地、河岸段丘に位置する農村であるが、近年高松市郊外の住宅地として急速に発展する。国道193号が通る。水稲、麦の栽培のほか、養鶏なども行われている。竜満(りゅうまん)池、新池、船岡池などの溜池(ためいけ)も多く、新池神社の奇祭「ひょうげ祭」は新池の築造に功績のあった高松藩士矢延平六叶次(やのべへいろくやすつぐ)の徳を偲ぶとともに、水の恵みに感謝して豊作を祝う行事として始まった。このほか農村歌舞伎(かぶき)(地芝居)の祇園(ぎおん)座、讃岐(さぬき)百景の一つ竜桜公園、古くからの雨乞(あまご)い祈願所である童洞淵(どうどうのふち)などがある。1989年、隣接する高松市香南町(こうなんちょう)地区に高松空港が開港、都市化が加速している。
[新見 治]
『『香川町史』(1970・香川町)』▽『『香川町誌』(1993・香川町)』