香川[県](読み)かがわ

百科事典マイペディア 「香川[県]」の意味・わかりやすい解説

香川[県]【かがわ】

四国北東部,瀬戸内海に面する県。県庁所在地は高松市。1876.72km2(都道府県中最小)。99万5842人(2010)。〔沿革〕 かつての讃岐(さぬき)国に当たり,江戸時代高松藩(松平氏),丸亀藩(京極氏),多度津藩(京極氏支藩)に分かれ,小豆(しょうど)島などの島々は倉敷代官の支配地であった。1871年多度津藩領は倉敷県,高松・丸亀両藩はともに県となり,同年香川県として統合,愛媛・徳島両県との合併,再分離の後1888年現県域となった。〔自然〕 南部は徳島県との境をなす讃岐山脈が東西にのび,中部以北は台地丘陵瀬戸内海に達し,小豆島,豊島(てしま)などを形成,その間に河川沖積による讃岐平野がある。平野部は四つに分かれ,中央の高松平野が最大。河川は短く勾配が大きいため利用度が低く,灌漑(かんがい)用溜池(ためいけ)が数多く散在。瀬戸内式気候で温暖少雨。〔産業〕 産業別人口構成は第1次7.1%,第2次26.6%,第3次65.4%(2005)。就業人口の約7%が農業に従事するが,規模は小さく兼業が多い。平野部では米作のほか小麦やレタス,タマネギキュウリなどの野菜,台地の山麓ではミカン,ブドウ,モモなどの果樹を栽培する。高松市近郊や小豆島などの島々では花卉(かき),植木・盆栽なども作られる。早明浦(さめうら)ダムを水源とする香川用水が1974年から通水されたが,慢性的水不足の解消には至っていない。林業は不振。漁業は漁獲高は少ないが魚種に富み,先進地として知られるハマチ養殖をはじめ,タイ,クルマエビ,ノリ,カキ,真珠の養殖が行われる。かつて盛んであった製塩讃岐三白の一つとして知られたが,現在では塩田廃止による転用や埋立てにより,臨海部は工場地帯になっている。沿岸都市の高松,坂出,丸亀,観音寺に石油,造船,電機,食品,化学などの工場が立地する。特産に大川郡の手袋,小豆島の醤油,そうめん,各地のうどんがある。主要観光地は瀬戸大橋,琴平町の金刀比羅(ことひら)宮象頭(ぞうず)山瀬戸内海国立公園に属する屋島と小豆島,高松市の栗林(りつりん)公園など。〔交通〕 ほぼ瀬戸内海岸沿いに予讃線と国道11号線,高松自動車道が通じ主要都市を結び,高松から高徳線,高松琴平電鉄各線,多度津から土讃線が分岐する。高松港を中心に阪神との航行もある。1988年には本州四国連絡橋児島・坂出ルート(瀬戸大橋)が開通し,瀬戸大橋線,瀬戸中央自動車道が通じた。1989年新高松空港が完成,ソウルとの航路も開かれ,四国初の国際空港になった。
→関連項目讃岐うどん四国地方

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