普及版 字通 「香(漢字)」の読み・字形・画数・意味
香
常用漢字 9画
[字訓] か・かおり・におい・かんばしい
[説文解字]
[字形] 会意
正字は黍に従い、黍(しよ)+曰(えつ)。〔説文〕七上に「なり」とあり、黍と甘との会意字とする。甘はもと甘美の字でなく、嵌入の形であるから、甘美の意を以て会意に用いることはない。字の初形がなくて確かめがたいが、黍をすすめて祈る意で、曰は祝詞の象であろう。黍は芳香のあるものとされ、〔左伝、僖五年〕「黍稷(しよしよく)馨(かんば)しきに非ず。惟(こ)れ馨し」「以て馨香(けいかう)をむ」とは、黍稷の馨香を以て神に薦めるもので、甘美の意ではない。〔詩、周頌、載(さいさん)〕に「(ひつ)たる其の香り」というように、祭に供えるものは、馨香を以て第一とした。
[訓義]
1. か、かおり、におい、よいにおい。
2. かんばしい、美しい。
3. たきもの、こう。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕香 カウバシ・カ 〔立〕香 カウバシ・カグ・カ
[部首]
〔説文〕に馨、〔新附〕に馥を収める。〔玉〕にはすべて十六字、をも香に従う字に作る。
[語系]
香・xiang、馨xyengは声義が近い。は〔説文新附〕一下に「气なり」とあり、黍稷の香気などをいう。馨は香の遠く聞こえるもの、みな一系の語である。
[熟語]
香靄▶・香案▶・香幃▶・香雨▶・香雲▶・香纓▶・香煙▶・香▶・香烟▶・香火▶・香霞▶・香駕▶・香界▶・香閣▶・香串▶・香願▶・香几▶・香気▶・香蟻▶・香橘▶・香魚▶・香芹▶・香銀▶・香具▶・香薫▶・香花▶・香華▶・香閨▶・香猊▶・香▶・香骨▶・香魂▶・香剤▶・香糸▶・香輜▶・香▶・香膩▶・香車▶・香酒▶・香樹▶・香臭▶・香牀▶・香▶・香塵▶・香水▶・香雪▶・香刹▶・香銭▶・香祖▶・香鼠▶・香草▶・香▶・香粽▶・香箱▶・香象▶・香糯▶・香袋▶・香台▶・香沢▶・香廚▶・香鳥▶・香鼎▶・香泥▶・香篆▶・香甜▶・香▶・香鈿▶・香灯▶・香橙▶・香頭▶・香▶・香柏▶・香盤▶・香皮▶・香被▶・香美▶・香飄▶・香埠▶・香風▶・香馥▶・香物▶・香粉▶・香璧▶・香癖▶・香片▶・香芳▶・香▶・香木▶・香墨▶・香味▶・香夢▶・香霧▶・香▶・香油▶・香欒▶・香貍▶・香奩▶・香匳▶・香輦▶・香炉▶・香露▶・香籠▶
[下接語]
暗香・闇香・衣香・異香・遺香・遠香・花香・荷香・寒香・奇香・嗅香・凝香・玉香・香・薫香・桂香・軽香・馨香・残香・膩香・麝香・酒香・焼香・浄香・新香・沈香・燼香・清香・線香・断香・暖香・茶香・丁香・泥香・篆香・伝香・偸香・乳香・拈香・佩香・梅香・披香・微香・香・浮香・風香・香・粉香・焚香・聞香・芳香・墨香・梵香・抹香・妙香・名香・香・銘香・木香・夜香・幽香・余香・蘭香・流香・霊香・蓮香・炉香
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報