餅茶(読み)へいちゃ

世界大百科事典(旧版)内の餅茶の言及

【煎茶道】より

…というのは当時の日本の飲茶・喫茶の風習は中国唐代の喫茶趣味の影響を受けたもので,そのとき飲まれていた茶の具体的な内容は陸羽の《茶経》にくわしく述べられている。団茶あるいは餅茶と呼ばれ,蒸した茶葉を臼でつき乾燥させ,固められたものであった。飲む場合は,その団茶を火であぶり,砕いて粉にし,熱湯の中に入れて煮るというもので,塩や葱(ねぎ),薑(はじかみ),棗(なつめ),橘皮,茱萸(ぐみ),薄荷(はつか)などをも混入していた。…

【磚茶】より

…緑茶,紅茶その他の中・下級品や粉茶などを蒸して,いろいろな形状の型に詰め,煉瓦状,タイル状,円盤状,円錐状,碗状などに押し固めて乾燥したもの。7世紀以前の中国で行われていた餅茶の系譜をひくもので,製茶技術上の古い形態をとどめている。日本へは平安初期に入唐僧によって伝えられた。…

【チャ(茶)】より

…上質の茶葉を蒸し,水分と脂がなくなるまで搾り,次に水を加えてすりつぶし,模(かた)に入れて固型化する。それは地肌が緻密(ちみつ)なため蠟面(ろうめん)茶ともいわれ,宮中の飲用に供するものは竜や鳳を捺(お)したため竜鳳茶と呼び,ふつうには餅(へい)茶,片茶などとも称される。五代と宋代では福建の建州建甌(けんおう)が特産地とされ,碾(ひきうす)(やげんの一種)で粉末の抹茶にして飲用した。…

※「餅茶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」