飴売(読み)あめうり

百科事典マイペディア 「飴売」の意味・わかりやすい解説

飴売【あめうり】

扮装(ふんそう)に趣向を凝らし余興を添えて市中を売り歩く飴屋は江戸時代に始まる。元禄・宝永(1688年―1704年)のころ江戸浅草の七兵衛が千年(歳)飴を売り出したことが《還魂紙料》にみえ,1770年代に浅黄頭巾(ずきん)に袖無(そでなし)羽織で,日傘(ひがさ)に赤い絹をたらし,鉦(かね)を鳴らして歌い歩く飴売りの話が《耳袋》にある。宝暦・明和(1751年―1772年)ころ奥州人土平なる飴売りが現れ,蜀山人(しょくさんじん)も滑稽(こっけい)本《飴売土平伝》を書いた。
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精選版 日本国語大辞典 「飴売」の意味・読み・例文・類語

あめ‐うり【飴売】

〘名〙 飴を売り歩くこと。また、その人。変わった服装をしたり、チャルメラを吹くなど楽器を用いたりした。あめや。
※俳諧・類船集(1676)安「神社仏閣の場には飴うりとて大なる傘をひろげて市をなせり
※すみだ川(1909)〈永井荷風〉九「遠くの方から飴売の朝鮮笛が響き出した」

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