飛魚(読み)とびうお

精選版 日本国語大辞典 「飛魚」の意味・読み・例文・類語

とび‐うお ‥うを【飛魚】

〘名〙
① ダツ目トビウオ科の海産魚。全長約三五センチメートル。体は細長い紡錘形で、背方は青灰色、腹方は白色胸びれが翼状に大きくのび海面上をとぶのに用いる。尾びれは二またに分かれ、下葉の方が長く、飛び出す際の推進力を得やすくする役目をする。飛行距離は一〇〇~三〇〇メートルといわれる。夏多くとれ、食用として美味。本州中部以南の暖海分布する。とびいお。とびのうお。ほんとび。あご。つばめうお。つばくろうお。ひいご。とびお。《季・春‐夏》 〔異制庭訓往来(14C中)〕
※浮世草子・西鶴織留(1694)六「朝は白粥に飛魚(トビウヲ)ごしの外は毎日改め」
② ダツ目トビウオ科に属する海産魚の総称トビウオ、ハマトビウオツクシトビウオなど日本近海に二九種がみられる。
③ 女性の髪型の一つ。
※雑俳・菊多摺(1766)「後の女房の文鰩(トビウヲ)結ふ

とび‐の‐うお ‥うを【飛魚】

〘名〙
① =とびうお(飛魚)《季・春‐夏》
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立「何、俺を鳶の魚(ウヲ)だ。しかし鯰とは魚類仲間、其名も蛸の入道浄海といふ御出家様だハ」
② 売り払ったり質入れしたりして手元からなくしてしまうこと。
※歌舞伎・謎帯一寸徳兵衛(1811)中幕「ヤアヤア。もう蒲団をくらはせたな。〈略〉コレ、団七どん、そんなら蒲団は鳶(トビ)の魚か」

とび‐お ‥を【飛魚】

〘名〙 =とびうお(飛魚)〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕

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デジタル大辞泉 「飛魚」の意味・読み・例文・類語

とび‐うお〔‐うを〕【飛魚】

トビウオ科の海水魚。全長約35センチ。背中が銀青色、腹が白い。大きな胸びれ・腹びれを広げて海面上を飛ぶ。本州中部以南に分布。食用。ほんとび。あご。つばめうお。とんぼうお。とび。 夏》
ダツ目トビウオ科の海水魚の総称。体は筒形で長い。胸びれ・腹びれが著しく大きく、尾びれ下部も大きい。外洋の表層を群遊し、危険にあうと水から飛び出して飛行する。日本近海にはトビウオ・ハマトビウオ・ホソトビウオ・ツクシトビウオなどがみられる。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「飛魚」の解説

飛魚 (トビウオ)

学名Cheilopogon ago ago
動物。トビウオ科の海水魚

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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