風音（読み）かざおと

精選版 日本国語大辞典

かざ‐おと【風音】

〘名〙

① 風の吹いている音。風が物に吹き当たる音。かぜおと。

※俳諧・西鶴大矢数（1681）第二二「寝所を早くもあげる枕の秋〈西瓜〉 風音つれて旅籠屋の露〈西巾〉」

② 歌舞伎の下座音楽の一つ。大太鼓を長撥(ながばち)で打って、すきまをもれてくる風の音や、風が起こってくる様子などを表現するもの。

※落語・素人茶番（1896）〈四代目橘家円喬〉「扨(さ)てカチと云ふ頭木(かしらぎ)が這入(はい)りまして、風音(カザオト)で幕が明きますると」

かぜ‐おと【風音】

〘名〙 ＝かざおと（風音）

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

かざ‐おと【風音】

１ 風の吹く音。かぜおと。
２ 歌舞伎下座音楽の一。大太鼓を小刻みに打ちつづけて、風の吹く音やすきま風の感じを表すもの。

かぜ‐おと【風音】

風の音。かざおと。

出典　小学館

世界大百科事典（旧版）内の風音の言及

【歌舞伎】より

…あとは〈送り三重〉に転じて早間となり，人物は花道を入る。　風音（かざおと）人物の出入り，探り合い，立回りなどに，風が物に当たる音を大太鼓によって表す囃子。しばしば心象表現を兼ねる。…

※「風音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」