風間（読み）かざま

精選版 日本国語大辞典

かざ‐ま【風間】

〘名〙

① 風の吹きやんでいるとき。風の絶え間。かぜま。

※小町集（９Ｃ後か）「かざま待つあましかづかば逢ふことのみるめなしとは思はざらまし」

② 風の吹いているとき。

※滑稽本・浮世風呂（1809‐13）二「雨降(あめふり)、風間(カザマ)には転んだり何角(なにか)致さぬで」

③ 風の通るすきま。風穴(かざあな)。

※浄瑠璃・一谷嫩軍記（1751）五「邪魔ひろぐな毛二才め。そこ立去らずば蹄にかけて、胴腹に風間(カザマ)を明けん」

④ 海が荒れて沖へ漁に出られないとき。静岡県賀茂郡の海辺でいわれる。しけ。かぜま。〔分類漁村語彙（1938）〕

かぜ‐ま【風間】

〘名〙 ＝かざま（風間）①

※歌仙本小町集（９Ｃ後か）「漕ぎきぬやあまのかぜまもまたずしてにくさびかけるあまの釣舟」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

かざ‐ま【風間】

１ 風の絶え間。かぜま。
「君によりをちの早船さしはやし―も待たずこがれ来るかな」〈浜松・二〉
２ 風の吹いている時。
「雨降り―には、転んだり何か致さぬで」〈滑・浮世風呂・二〉

かぜ‐ま【風間】

「かざま1」に同じ。

出典　小学館