風気(読み)ふうき

精選版 日本国語大辞典 「風気」の意味・読み・例文・類語

ふう‐き【風気】

〘名〙
気候。〔漢書‐律歴志上〕
② 空気。また、吹く風。
江談抄(1111頃)一「被仰云、阿奈美久留志の風也〈略〉即時風気俄止」 〔淮南子‐氾論訓〕
風邪(かぜ)。風邪ひき。また、風邪ぎみであること。
※玉葉‐嘉応二年(1170)五月六日「女院御方、聊有御風気云々」
風俗。人々の気風
※童子問(1707)上「至後世、則風気日漓、人心不古」 〔後漢書‐宋意伝〕
⑤ すぐれた人柄。すぐれた気性。すぐれた趣。気風。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一二「蓋し人常に徳善の風気を呼吸するときは」 〔宋書‐袁淑伝〕
腸内にたまったガス。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕
⑦ 皮膚疾患の一種。皮膚に赤い腫物ができて痛くはないが移動してかゆいという。風腫。
実隆公記‐長享二年(1488)四月六日「猶近日皮腑風気生痒無治術者也」

かざ‐け【風気】

〘名〙 (形動)
① 風邪(かぜ)気味。少し風邪にかかっていること。風邪にかかったさま。かぜけ。
山槐記‐仁平二年(1152)七月五日「依内御風気、北政所御参内」
御湯殿上日記‐文明一二年(1480)正月一九日「こよひより御かさけにて」
② 風が吹こうとするさま。風の吹く気配。かぜけ。
俚言集覧増補)(1899)「かざけ 風気は風の吹き起らんとする気色をいふ。又風邪に感じたるをもいふ」

かぜ‐け【風気】

〘名〙
源平盛衰記(14C前)二〇「折節風気(カゼケ)ありて平臥したりけるが」

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デジタル大辞泉 「風気」の意味・読み・例文・類語

ふう‐き【風気】

風の吹くこと。
気候。気象
気風。風俗。
本来四返しへんの―を換えるのを目的とする移動だから」〈漱石それから
腸内にガスのたまること。また、そのガス。
「―を洩らすことも極めて稀なるが為」〈福沢福翁百話
風邪かぜ
「この程―ありて見参に入らずと言へ」〈盛衰記・六〉

かざ‐け【風気/風邪気】

かぜけ」に同じ。

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普及版 字通 「風気」の読み・字形・画数・意味

【風気】ふうき

かぜ。風尚。元・劉因黄金台〕詩 國の河山、燕・趙り 百年の風氣、・金

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