風月孫助(初代)(読み)ふうげつ・まごすけ

朝日日本歴史人物事典 「風月孫助(初代)」の解説

風月孫助(初代)

生年:生没年不詳
江戸前期から幕末まで続いた名古屋の老舗書肆の初代。堂号は風月堂。長谷川氏。孫助は代々の称。京都の風月庄左衛門に奉公した初代が,その出店として開業。店に残る芭蕉真蹟とともに,芭蕉が主人(俳号,夕道,初代または2代)に即吟の発句を与えた(1687.12)話が有名。風月堂は明和(1764~72)ごろから『蘿葉集』など横井也有の著や暁台の俳書,藩儒岡田新川らの著書などを出版し,藩版や唐本購入の藩の御用も務めた。明和8(1771)年の得意先との関係が「下郷千蔵宛風月孫助書簡」(長友千代治『近世の読書』に翻刻)によって知られる。<参考文献>岸雅裕「尾州風月堂の出版」(『名古屋市博物館研究紀要』8集)

(安永美恵)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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