風成層(読み)ふうせいそう

精選版 日本国語大辞典 「風成層」の意味・読み・例文・類語

ふうせい‐そう【風成層】

〘名〙 風で運ばれた土や砂が堆積してできた地層関東ローム層中国黄土など。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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デジタル大辞泉 「風成層」の意味・読み・例文・類語

ふうせい‐そう【風成層】

主に風の作用で運搬され、堆積してできた地層。砂漠砂丘関東ローム層など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「風成層」の意味・わかりやすい解説

風成層
ふうせいそう

風によって運搬されたのち堆積(たいせき)した砕屑(さいせつ)物。海岸や砂漠に発達する砂丘の砂や、大陸の半乾燥地域とその周辺に分布するレスや黄土(おうど)とよばれる細粒堆積物がその典型である。一般に砂丘の砂を構成する粒子淘汰(とうた)が良好でよく円摩されている。また、粉砕されて細粒になりやすい長石雲母(うんも)などの粒子は飛散してしまうので、砂丘の砂は石英粒が圧倒的に多く残されている。ほとんど石英粒のみで構成されることもまれではない。ヨーロッパおよび北アメリカのレスの起源は、新生代第四紀に発達した大陸氷河が生産した細粒砕屑物であり、東アジアの黄土の供給地は西アジアの砂漠である。なお、偏西風によって遠隔地まで運搬される降下火山灰層も、広義には風成層に含まれる。

[伊藤谷生]

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百科事典マイペディア 「風成層」の意味・わかりやすい解説

風成層【ふうせいそう】

風食によりつくられた礫(れき),砂,泥などが,風に運搬されて堆積したもの。狭義陸成層大部分は風成層で,砂漠地域や砂丘地域の堆積物,レスなどはそのよい例である。火山噴出物が風によって運搬されて陸上に堆積した関東ロームのようなものも風成層である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「風成層」の意味・わかりやすい解説

風成層
ふうせいそう
aeolian deposit

風の作用によって,岩石細片,砂,粘土,火山灰などが陸上に堆積してできた地層。一般に粒子の大きさがよくそろっている。砂丘砂漠などの堆積物,関東地方の関東ローム層,中国の黄土,ヨーロッパや北アメリカのレスなどはその代表的な例。

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