風大(読み)ふうだい

精選版 日本国語大辞典 「風大」の意味・読み・例文・類語

ふう‐だい【風大】

〘名〙 (「大」は一切の物質に遍満する、それら物質の拠り所の意) 仏語。一般には地、水、火とともに説かれる四大の一つ。密教では五大、六大を説く。地、水、火、または、地、水、火、空、識とともに、万物を構成する元素の一つ。動きを本性とし、物を増長する作用があるとする。
※即身成仏義(823‐824頃)「因業不可得者訶字門風大也」

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デジタル大辞泉 「風大」の意味・読み・例文・類語

ふう‐だい【風大】

仏語。四大しだい五大六大の一。風という要素。ものの動きを生長させる作用をもつ。

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世界大百科事典(旧版)内の風大の言及

【四大】より

…〈大〉または〈大種〉はサンスクリットmahā‐bhūtaの漢訳語である。〈地大〉とは堅さを性質とし物質を保つもの,〈水大〉とは湿性をもつもの,〈火大〉は熱を性質とし成熟の作用をもち,〈風大〉は動作を性質とする。これら四大のそれぞれの名称,性質,作用などについては,古代インドにおいて古くから諸説があり,また,仏教の中にも異説がある。…

【四百四病】より

…人間の肉体は四大によって構成されているので,構成要素の調和が失われると病気が起こり,おのおのの要素について101ずつの病があるとする。すなわち,地大が増すことによって黄病(おうびよう)が起こり,水大が積もることによって痰病(たんびよう)が,火大が盛んになることによって熱病が,風大の動きが激しくなることによって風病が起こるのである。これら404病のうち,風大,水大によって起こる202病を冷病に,地大,火大による202病を熱病に2大別することもある。…

※「風大」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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