風力
ふうりょく
風力階級の各階級番号または物体に及ぼす風の力。風力エネルギーP(W/m2)は、単位時間に通過する運動エネルギーによって表現することができるが、

で表される。ただしρは空気の密度(kg/m3)、Vは風速(m/s)である。この運動のエネルギー全部が、たとえば風車エネルギーとして使われるわけではなく、そのおよそ60%が風車エネルギーに転換される。さらに発電や発熱の効率まで考えても、風力エネルギーとして40%程度が利用できるという効率のよいエネルギー源である。
風力は水力に比べるとその連続的保持を考えたとき100分の1程度のエネルギーにすぎない。したがって大量のエネルギー源として風力に期待することはできない。さらに風には強弱の不安定があるため、定常的な強風地帯以外は、これを連続的に使い続けることはむずかしい。しかし廃棄物を伴わないクリーンで無尽蔵のエネルギー源であり、小規模分散型の発電施設として利用可能なものであるため、風の強い離島などでは、風力が灯台の発電用として使われている。
なお、現在広く使われている風力階級は、19世紀初めにイギリスのビューフォートが考案したものである。1962年に世界気象機関(WMO)で決めた風速V(m/s)と風力階級B(1~12)との関係は

となっている。
[根本順吉・青木 孝]
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風力【ふうりょく】
風の強さ,または風のもつエネルギー。気象関係では風速の度合に応じて最も風速の小さいところから順に風力0(風速0.2m/s以下で煙がまっすぐ上る)から1,2,3,…,12(風速32.7m/s以上)と階級づけして表す。ふつうに用いられているものはビューフォートの風力階級で,気象庁風力階級もこれを用いている。各階級について陸上または海上の典型的な状況の説明がついている。
→関連項目風|ビューフォート風力階級
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ふう‐りょく【風力】
〘名〙
① 風の強さの程度。また、風の強さを目測するために定められた、風の強さを示す数をいう。
※経国集(827)一四・和菅大夫暁頭聞雁卒爾成篇〈
惟良春道〉「弱弱資
二風力
一、危声任
二月弦
一」
※浮城物語(1890)〈矢野龍渓〉二〇「綜理、気象専務杉苗氏に向て風力を問ふ」 〔方干‐登龍瑞観北巖詩〕
② けだかい品位。風格。
※撃蒙抄(1358)「この両句、尤風力あり」 〔宋書‐孔覬伝〕
ふう‐りき【風力】
※至花道(1420)無主風の事「我物にいまだならで、風力(フウリキ)不足にて、能のあがらぬは、是、無主風の為手(して)なるべし」
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「風力」の意味・読み・例文・類語
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「風力」の読み・字形・画数・意味
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