類聚神祇本源(読み)るいじゅうじんぎほんげん

改訂新版 世界大百科事典 「類聚神祇本源」の意味・わかりやすい解説

類聚神祇本源 (るいじゅうじんぎほんげん)

鎌倉時代末の神道書。度会(わたらい)家行著。15巻。鎌倉時代中期におこった伊勢神道教説を集大成したもので,1320年(元応2)1月に成立神道五部書をはじめとする伊勢神道の諸書を中心に,神道書,儒教仏教経典,官家・社家・釈家文献など,60余種の資料から神祇の関連事項を抄出し,天地開闢,天神所化,本朝造化,天宮,内宮御遷宮,外宮御遷宮,宝基,形文,心御柱,内宮別宮,外宮別宮,神宣,禁誡,神鏡,神道玄義の15編に類聚して,神祇の本源を明らかにしようとしている。特に最後の神道玄義編は,問答体で伊勢神道の奥義を説き明かそうとした部分で,神道の思想史の上で注目される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「類聚神祇本源」の意味・わかりやすい解説

類聚神祇本源
るいじゅうじんぎほんげん

伊勢神道思想を集大成した書。鎌倉時代末期の伊勢外宮祠官度会 (わたらい) 家行著。 15巻。元応2 (1320) 年成立。天地開闢編,天神所化編,本朝造化編,天宮編,内宮遷座編,外宮遷座編,宝基編,形文編,心御柱編,内宮別宮編,外宮別宮編,神宣編,禁誡編,神鏡編,神道玄義編の 15編から成る。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「類聚神祇本源」の解説

類聚神祇本源
るいじゅうじんぎほんげん

中世神道論の書。15巻。1320年(元応2)度会(わたらい)家行著。平安末~鎌倉時代,伊勢外宮(げくう)にうまれた伊勢神道の原形「神道五部書」を整備して神道説として体系化したもの。編目は天地開闢編・本朝造化編・天地所化編・天宮編・内宮編・外宮遷座編・宝基編・形文編など15編。本書影響下に北畠親房元元集」や慈遍「旧事本紀玄義」が著された。

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旺文社日本史事典 三訂版 「類聚神祇本源」の解説

類聚神祇本源
るいじゅうじんぎほんげん

鎌倉後期,伊勢神道の基本教典
1320年完成。15巻。度会家行 (わたらいいえゆき) の著。神道五部書を基礎諸説を集大成したもの。後世の神道説に大きな影響を与えた。

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世界大百科事典(旧版)内の類聚神祇本源の言及

【度会家行】より

…家行は,その中心となった度会行忠に従って,神祇の基本を学び,さらに儒教・老荘の典籍,新旧さまざまな仏典を読み,伊勢神道の教説を集大成した。1318年(文保2)に著した《神道簡要》1巻は,《神道五部書》にはじまる伊勢神道の教説の綱要を簡潔に述べた書であるが,その基礎となる教学を詳細に記したのが20年(元応2)に完成した《類聚神祇本源》15巻であった。家行はこの書で,数多くの文献から抄出した神祇に関する記述を分類編成することによって,神道説の体系化を図ったが,その根本的な主張は同書の〈神道玄義篇〉に要約されている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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