類別詞(読み)るいべつし

世界大百科事典(旧版)内の類別詞の言及

【シナ・チベット語族】より

…たとえば〈私の馬〉は,〈馬←私〉となるが,チベット・ビルマ語派の言語では〈私(の)馬〉のように,(格助詞を伴って)限定詞は前置される。(4)チベット語とカチン語のほかは,一般に日本語の〈一枚の紙〉の〈枚〉にあたる類別詞が多く使われる。中国語では〈一張紙〉〈這張紙〉(この紙)のように数詞や指示詞と名詞の間に類別詞(この場合〈張〉)を置くが,カム・タイ語群では,〈紙・枚・一〉〈枚・紙・この〉の配置をとり,チベット・ビルマ系言語では,〈紙・一・枚〉〈紙・この・枚〉の順をとることが多い。…

【中国語】より

…文法要素が,中国語の場合このように,〈分析的〉な場合とともに,〈分析〉も〈統合〉もなく,言表そのものが存在せず,しかもまたそうした意味内容がそこに存在しないとはいえない場合があるというこのことは,中国語を扱ってつねに忘れてはならない事がらの一つである。 中国語の文法構造上の特点として,また中国人のいう〈量詞〉,つまり名詞その他について馬ならば〈匹〉,牛ならば〈頭〉,羊ならば〈隻〉というように,多くの場合数える対象物によって異なる〈類別詞〉のあることが挙げられる。日本語でも,人ならば〈ひとり〉〈ふたり〉,鳥ならば〈いちわ〉〈にわ〉〈さんば〉という数え方をするのと似ているが,日本語ならかならず〈ひとりの人〉〈二羽のうぐいす〉というところを,中国語では〈一個人〉〈両匹馬〉というように,〈の〉に当たる語なしに,ただちに〈人〉や〈馬〉に接続する点がちがう。…

【ナシ語】より

…形容詞は名詞の後に置かれるが属格助詞をともなって前に置くことも可能である。量詞(類別詞)は豊富で,数詞を含む名詞句のみではなく,指示詞に限定される名詞句にも,名詞―数詞(または指示代名詞)―量詞の型が使われる。例,çi dш ku〈ひと一人〉,γш thш phu〈あの牛〉(斜字は量詞)。…

【ベトナム語】より

… 文法上の特色としては,修飾語が被修飾語の後に置かれることがあげられるが,量数詞は名詞の前に置かれる。助数詞はその種類が多く,また名詞を動物と非動物とに分け,conとcáiという類別詞を名詞の前に置く。人称代名詞で一人称複数に相手を含まない〈我々〉chúng tôi(排除形)と相手を含む〈我々〉chúng ta(包含形)とが区別されていることが特色とされるほか,主として親族名称に由来する豊富な語彙が代名詞として用いられ,性別や年齢別などにより,さらには話し手と聞き手との間の関係に応じ微妙に使い分けられていることが特徴的である。…

※「類別詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」