顕(漢字)

普及版 字通 「顕(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 18画

(旧字)顯
人名用漢字 23画

[字音] ケン
[字訓] あきらか・あらわれる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
旧字は顯に作り、(けん)+頁(けつ)。は〔説文〕七上に「日中に絲をるに從ふ。古以て顯の字と爲す」とあって、顯の初文とする。は日(玉の形)に呪飾を加えた形。神霊をよぶときの神降しに用いるもので、わが国の白香(しらか)などに類する。〔説文〕九上に顯を「頭のなり」とするが、は頭飾でなく、頁はこれを拝して神霊の顕現を祈る意。〔大盂鼎〕「丕(おほ)いに顯(あき)らかなる王」のように、神明の徳をたたえる語に用いる。金文にまた(けん)の字があり、これも神降しに玉を拝する形で、〔大克鼎〕に「天子哲にして孝す」とあり、これは神につかえる意に用いる。また現も玉を拝し、それに対して神霊の現われることをいう字である。

[訓義]
1. あきらか、神霊があらわれる、神がみずからをあらわすことをいう。
2. あらわに、明白に、著しい。
3. 形としてあらわれる、表面に出る、そと、おもて。
4. さかえる、世に知られる。
5. 頭の飾り。

[古辞書の訓]
名義抄〕顯 アラハス・アラハナリ・アキラカナリ 〔字鏡集〕顯 ホガラカナリ・アキラカナリ・アラハル・ミル・サカリ・ヒカリ・ツク

[語系]
顯xian、現・見hyanは声義近く、みな神霊など、神聖なものを見て、これを見あらわすこと、神霊などが顕(た)ちあらわれることをいう。

[熟語]
顕位・顕異顕懿顕允・顕栄・顕顕赫・顕学顕豁・顕官・顕貴顕軌・顕器・顕義・顕休・顕見・顕験・顕言・顕現・顕功・顕効・顕考・顕士顕仕・顕志・顕示・顕者顕爵・顕称顕敞顕彰・顕賞・顕章・顕親・顕人・顕盛顕迹・顕善・顕尊・顕達・顕智顕秩・顕著顕詆・顕徳・顕得・顕白・顕抜・顕美・顕微・顕否・顕表・顕聞・顕没・顕密・顕名・顕命・顕明顕黙・顕・顕誉・顕要・顕揚顕戮・顕列・顕烈・顕露・顕弄・顕禄
[下接語]
隠顕・栄顕・華顕顕・赫顕・貴顕・顕・高顕・彰顕・清顕・尊顕・天顕・徳顕・丕顕・微顕・表顕・褒顕・明顕・露顕

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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