顔役(読み)かおやく

精選版 日本国語大辞典 「顔役」の意味・読み・例文・類語

かお‐やく かほ‥【顔役】

〘名〙 (顔をきかせる役の意。もと歌舞伎楽屋仲間の語で、頭だつ人をいったのにはじまるという)
① その土地、または仲間に勢力名望あるもの。有力者。侠客博徒などの親分株にもいう。親分。ボス
※浪花聞書(1819頃)「顔役。江戸の通り者也」
※歌舞伎・極附幡随長兵衛(1881)大詰「後立が当時江戸で一の顔役」
② 京都祇園の芸妓で、中年増よりも年をとった者の称。年寄芸子。
洒落本・箱まくら(1822)下「若手(わかて)中年(ちうどし)・㒵(カホ)やくと段をわけ」

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デジタル大辞泉 「顔役」の意味・読み・例文・類語

かお‐やく〔かほ‐〕【顔役】

その土地、または仲間うちで、顔を知られていて勢力のある人。ボス。「町の顔役

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デジタル大辞泉プラス 「顔役」の解説

顔役

1971年公開の日本映画監督脚本出演勝新太郎、脚本:菊島隆三。出演:山崎努太地喜和子、藤岡琢也、伴淳三郎、山形勲ほか。第26回毎日映画コンクール男優演技賞(勝新太郎)受賞

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世界大百科事典(旧版)内の顔役の言及

【通】より

…それが定着するのは安永(1772‐81)末から天明期(1781‐89)に入ってのことであろう。〈通り者〉には〈気の通った人〉(粋人)の意と〈顔(名前)の通った人〉(顔役)という二義があり,宝暦(1751‐64)ころは後者の意味が強かった。そこから〈大通(だいつう)〉の語も生じ,明和・安永と盛んに〈大通〉賛美が行われたのち,反省期を迎え,天明期に入って〈大通〉のイメージの中にあった豪気さ,放胆さが消え,多分に常識的,小市民的な〈通〉の理念が生じた。…

※「顔役」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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