題目踊(読み)だいもくおどり

精選版 日本国語大辞典 「題目踊」の意味・読み・例文・類語

だいもく‐おどり ‥をどり【題目踊】

〘名〙 陰暦七月一六日の夜、団扇(うちわ)・扇を手に、太鼓大鼓拍子木などに合わせて「南無妙法蓮華経」を節をつけて唱えながら円陣を作って行なう踊り京都市左京区涌泉寺のものが有名。《季・秋》
※俳諧・鷹筑波(1638)五「妙なふりするは題目(ダイモク)おどり哉〈定主〉」

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デジタル大辞泉 「題目踊」の意味・読み・例文・類語

だいもく‐おどり〔‐をどり〕【題目踊(り)】

民俗芸能の一。太鼓などに合わせて法華経の題目を唱えながら踊る集団舞踊。京都市左京区涌泉寺ほか数か所に伝わる。

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改訂新版 世界大百科事典 「題目踊」の意味・わかりやすい解説

題目踊 (だいもくおどり)

民俗芸能。法華宗(日蓮宗)徒による一種念仏踊踊念仏)で,南無妙法蓮華経の題目を唱えながら踊る。京都市左京区松ヶ崎涌泉寺や京都府向日(むこう)市鶏冠井(かいで)などで行われている。涌泉寺では1306年(徳治1)実眼僧都の盆の法筵(ほうえん)に始まると伝え,盆踊として8月15日・16日《題目七遍がえし》《一念随喜》などが踊られている。男が〈ほーほー南無妙〉というと,女が〈ほーおー蓮華経〉と歌う。鶏冠井では5月3日の石塔寺花祭に蓮華踊などを踊る。なお,横浜市旭区の妙蓮寺では秋の御会式に稚児たちによる曲題目(きよくだいもく)を踊る。
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百科事典マイペディア 「題目踊」の意味・わかりやすい解説

題目踊【だいもくおどり】

民俗芸能。念仏踊の一種。法華経の題目を唱えて踊る。京都市の涌泉寺に伝わるものが名高い。8月15〜16日に行われ,男女ともに団扇を持ち,大太鼓(おおだいこ)の拍子につれて法華経の功徳をたたえて踊る。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「題目踊」の意味・わかりやすい解説

題目踊
だいもくおどり

念仏踊の一種。『法華経』の題目である南無妙法蓮華経に節をつけて唱え,太鼓をたたきながら踊るのでこの名があり,京都市左京区松ヶ崎町の湧泉寺で8月 15,16日に男女が踊るものが古来名高い。千葉小湊には題目を数え歌に織込んだ題目踊がある。

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