デジタル大辞泉
「頽」の意味・読み・例文・類語
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くず‐お・れる くづほれる【頽・頽折を】
〘自ラ下一〙 くづほ・る 〘自ラ下二〙
① 体や考え方などが年老いて衰える。衰弱する。弱くなる。
※
源氏(1001‐14頃)薄雲「御行ひを、時の間もたゆませ給はずせさせ給ふつもりの、いとどいたうくづをれさせ給に」
※俳諧・芭蕉庵小文庫(1696)閉関之説「五十年、六十年のよはひかたぶくより、あさましうくづをれて」
② 気が弱る。気がくじける。気落ちする。
※源氏(1001‐14頃)藤裏葉「おとどの御おきてのあまりすくみて、
名残なくくつをれ給ひぬるを」
※
放浪記(1928‐29)〈
林芙美子〉「私はくづ折れた気持ちで、片づけてゐるたい子さんの白い手を呆んやりながめてゐた」
③ くずれてだめになる。身をもちくずす。
※浮世草子・風流曲三味線(1706)四「誠と思ふて身のくづ折(ヲ)るるも厭はず通はるるを」
④ くずれるように倒れる。くずれ倒れる。
※
浄瑠璃・本朝三国志(1719)一「必あげて下さんすな、どうでもお身がくづをれる」
[
補注]「おれる」が「折れる」の意に解されて、近世以後、意味が広がって用いられるようになった。
くず‐お・る くづほる【頽】
[1] 〘自ラ四〙 崩れ衰える。くずおれる。
※
万葉(8C後)五・九〇四「漸々
(やくやく)に かたち久都保里
(クヅホリ) あさなさな 言ふこと止み」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報