頭陀(読み)ズダ

デジタル大辞泉 「頭陀」の意味・読み・例文・類語

ずだ〔ヅダ〕【頭×陀/×杜多】

《〈梵〉dhūtaの音写仏語
衣食住に対する欲望を払いのけること。転じて、あらゆる煩悩ぼんのうを払い去って仏道を求めること。また、そのための修行
僧が修行のために托鉢たくはつして歩くこと。また、その僧。
頭陀袋」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「頭陀」の意味・わかりやすい解説

頭陀
ずだ

煩悩(ぼんのう)を除去すること。いっさいの欲望を捨てて仏道を修行することをいう。パーリ語のドゥタdhuta、サンスクリット語のドゥータdhūtaの音写語。「洗い流すこと」「除き去ること」が原意。玄奘(げんじょう)は「杜多(ずだ)」と新訳。頭陀の修行徳目を「頭陀支(ずだし)」といい、パーリ系では13支、大乗系では12支をたてる。たとえば、〔1〕ぼろ布を綴(つづ)ってつくった衣(糞掃衣(ふんぞうえ))のみの着用、〔2〕托鉢(たくはつ)で得た食物でのみ食事をすること、〔3〕森林処に住むこと、などで、それらは仏道修行者の衣食住に関する最小限度の生活規定であった。頭陀の修行徳目を実践している僧を頭陀者といい、単に頭陀とも略す。また、行脚僧(あんぎゃそう)が首にかけている袋を頭陀袋という。

[阿部慈園]

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普及版 字通 「頭陀」の読み・字形・画数・意味

【頭陀】ずだ

托鉢。

字通「頭」の項目を見る

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