頭陀袋（読み）ずだぶくろ

精選版 日本国語大辞典

ずだ‐ぶくろ ヅダ‥【頭陀袋】

〘名〙

① 頭陀①をする僧が、経巻、僧具、布施物などを入れて首にかける袋。

※虎清本狂言・泣尼（室町末‐近世初）「わらはもずだぶくろをいたさうほどに、おふせ半分くださるるならば」

② 死人を葬る時、その首にかける袋。すみ袋。

※歌舞伎・毛抜（日本古典全書所収）（1742）「わらんぢも逆様に穿(は)かねばならず、頭陀袋(ヅタブクロ)も縫はねばならず」

③ だぶだぶして、何でもはいるような袋。

※千曲川のスケッチ（1912）〈島崎藤村〉八「私達は頭陀袋(ヅダブクロ)に米を入れ」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ずだ‐ぶくろ〔ヅダ‐〕【頭^×陀袋】

１ 僧が修行の旅をするとき、経文や食器などを入れて首にかける袋。
２ 仏式で死者を葬るとき、その首にかける袋。
３ いろいろな物が入るような、だぶだぶした袋。
[類語]袋・合切袋・信玄袋

出典　小学館

改訂新版　世界大百科事典

頭陀袋 (ずだぶくろ)

修行僧が托鉢（たくはつ）のときに経巻，僧具，布施（ふせ）された物などを入れて持ち歩くための，首にかける袋。転じて死者のとむらいに首にかけてやる袋をさす。サンヤブクロ，ゴショウブクロなどの名もある。地方により入れる物はちがうが，握り飯，煙草ときせる，近親者のつめ，六道銭と称する銭6枚などの例が多い。六道銭は三途（さんず）の川の舟渡賃とも，この世に出てきて飴を食べる代金ともいったりする。
執筆者：真野 俊和

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

百科事典マイペディア

頭陀袋【ずだぶくろ】

修行僧が経巻や僧具などを入れ首にかけて持ち歩く袋。頭陀とは衣食住に対する欲望を払いのけて修行することをいう。また死者の胸にかけ六道銭などを入れる袋をもいう。転じて，なんでも入るような袋。

出典　株式会社平凡社

葬儀辞典

頭陀袋

僧が経巻・仏具・布施などを入れて首にかけて持ち歩く袋。死者の首にかけて仏道修行の旅に出ることを模しています。頭陀袋の中には、紙に印刷した六文銭を入れます。

出典　葬儀ベストネット