領分(読み)りょうぶん

精選版 日本国語大辞典 「領分」の意味・読み・例文・類語

りょう‐ぶん リャウ‥【領分】

〘名〙
① 領有する分。所有する地。所領。領地。〔文明本節用集(室町中)〕
鎌倉大草紙(16C中か)「京方の御領分一所もいろひをなし不申」
② 江戸幕府の制。目見(めみえ)以上の領地を知行、目見以下の領地を給知といったのに対し、一万石以上の大名の領地の
※仮名草子・浮世物語(1665頃)一「領分(リャウブン)の百姓共」
③ 勢力の及ぶ範囲。専門とする範囲。自分の好きな範囲。領域
学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉二「何れにても皆知識見聞の領分を広くして、物事道理を辨へ」

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デジタル大辞泉 「領分」の意味・読み・例文・類語

りょう‐ぶん〔リヤウ‐〕【領分】

領有している土地。領地。「他国の領分す」
権限・能力などの及ぶ範囲。勢力下にある領域。「営業部の領分に立ち入る」
[類語](1領域縄張りテリトリー範囲世界区画区域区間帯域境域ブロックエリアゾーン/(2分野方面世界領域境域部門ジャンルフィールド

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世界大百科事典内の領分の言及

【安堵】より

…【笠松 宏至】
[近世]
 江戸時代には主君から給与された所領知行は一代限りという原則のもとに,相続は許可制をとり,将軍代替りの際には判物(はんもつ)あるいは朱印状によって継目安堵が行われ,大名よりは判物や黒印状をもって行われた。朱印状によって安堵された所領は総称して朱印地というが,大名領が領分,旗本領が知行所と呼ばれるのに対し,狭義には寺社領のみを指す。これに対し大名による安堵地を黒印地という。…

※「領分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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