頓悟・漸悟(読み)とんご・ぜんご

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「頓悟・漸悟」の意味・わかりやすい解説

頓悟・漸悟
とんご・ぜんご

仏教用語。ただちに悟りの境地に達することを頓悟,順を追って次第に悟りに近づくことを漸悟という。またすみやかに悟りの境地に入ることを頓証菩提という。法相宗では修行段階である声聞縁覚の位を経ないで,いきなり菩薩の位に入るときには頓悟の菩薩として区別した。また中国の禅宗では,南方に広まった慧能の禅風を頓悟,北方神秀の禅風を漸悟と呼び,南頓北漸といった。その後南宗禅が栄えたため,現在伝わるものは頓悟的な禅である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android