韻字（読み）インジ

デジタル大辞泉

いん‐じ〔ヰン‐〕【韻字】

１ 漢詩文で、句末で韻を踏んでいる字。
２ 連歌・俳諧で、句末を結ぶ言葉。→留め

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

いん‐じ ヰン‥【韻字】

〘名〙

① 漢詩文で、韻をふむために句の末に置く字。脚韻に用いる字。

※十輪院内府記‐文明一五年（1483）正月一〇日「於_二万松_一愚作付_二御尋_一、韻字誤存_二出之_一」

② 漢詩の脚韻を和歌にあてはめて、一首の末に置かれる語とされたことば。連歌や俳諧においては、短句の末尾に置くことばで、朝夕などの物名や、つつ、けり、かな、らん、して等の詞字をいう。助詞、助動詞に対して、特に名詞など漢字で表わせることばをいう場合もある。いんのじ。

※抄本歌経標式（772）「韻字有_二二種_一。一麁韻 夜麻(やま)、他麻(たま)、志麻(しま)、婆麻(はま)等之類也。二細韻 之利(しり)、爾利(にり)等之類也」

※俳諧・三冊子（1702）白双紙「留り字は韻字すはり宜(よろしく)すべし」

出典　精選版 日本国語大辞典