韓竜雲(読み)かんりゅううん(英語表記)Han Yong-un

改訂新版 世界大百科事典 「韓竜雲」の意味・わかりやすい解説

韓竜雲 (かんりゅううん)
Han Yong-un
生没年:1879-1944

朝鮮詩人僧侶,独立運動家。本名韓裕天,号は万海,竜雲法名。忠清南道洪城生れ。1905年江原道雪岳山百潭寺で得度。日本,シベリアなどを放浪。三・一独立運動の〈朝鮮独立宣言書〉に署名,3年間投獄される。生涯を独立運動,仏教革新運動に投じ,一方近代文学史上不滅の作品と評価される詩集《ニムの沈黙》(1926)を残した。この詩集はニム(愛する人。韓竜雲においては祖国衆生真理など自由な概念に発展)の不在を悲しみ,待ちわびる心をうたい,主権喪失の暗い時代,宗教的観照を通じて永遠の生を追求した。主著には,ほかに人類の普遍的な自由,平等を論じ,独立思想をのべた〈朝鮮独立に対する感想の概要〉(三・一運動の裁判予審に備えて書かれたという),形骸化した仏教の改革を力説した《仏教維新論》(1913)などがある。韓国ではことに70年代以後《韓竜雲全集》が刊行されたほか評伝,研究論文が多く書かれ,その全体像の究明がさかんである。
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百科事典マイペディア 「韓竜雲」の意味・わかりやすい解説

韓竜雲【かんりゅううん】

朝鮮の詩人,僧侶,独立運動家。本名は韓裕天,号は万海,竜雲は法名。忠清南道洪城生れ。三・一独立運動(1919年)での独立宣言書への署名をはじめとする独立運動と,仏教改革運動に生涯を捧げた。その一方,詩集《ニムの沈黙》(1926年)や《仏教維新論》(1913年)などを著した。

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