鞘翅類(読み)ショウシルイ

デジタル大辞泉 「鞘翅類」の意味・読み・例文・類語

しょうし‐るい〔セウシ‐〕【××翅類】

甲虫こうちゅう

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精選版 日本国語大辞典 「鞘翅類」の意味・読み・例文・類語

しょうし‐るい セウシ‥【鞘翅類】

※思ひ出(1933)〈太宰治〉二「私はその鞘翅類(セウシルヰ)をも私の採集した珍昆虫十種のうちにいれて」

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百科事典マイペディア 「鞘翅類」の意味・わかりやすい解説

鞘翅類【しょうしるい】

昆虫綱の1目。コウチュウ甲虫)目ともいう。上翅(前翅)が鞘(さや)状となって背面をおおうことからついた名称。昆虫の中でも最も巨大かつ多様なグループで,世界に約37万種,100以上の科に分けられる。日本にも9000種をこえる種が知られているが,将来的にはこの数はさらに増えるものと考えられている。ハンミョウ,オサムシ,ゴミムシ,ゲンゴロウミズスマシ,ガムシ,エンマムシ,シデムシハネカクシクワガタムシコガネムシタマムシコメツキムシ,ホタル,カツオブシムシ,テントウムシゴミムシダマシハナノミカミキリムシハムシ,ゾウムシ,キクイムシなどいずれも甲虫の仲間である。小さいものでは0.3mmにみたないが,大きなものでは10cmをこえる。肉食性,植食性,菌食性など食性もさまざま。完全変態。ツチハンミョウなどでは寄生生活に適応し,過変態をする。幼虫は脚が発達して活発に活動するものから,ほとんど無脚のうじむし型で,あまり移動しないものまでいろいろ。蛹(さなぎ)は裸で土中,植物質中などに空洞をつくって羽化を待つ。なかには外界で繭を作るものがある。地上,地中,水中に広く分布。石炭紀にすでに存在していたらしく,中生代や新生代初期には現在とあまり変わらないくらいに栄えていた。脈翅類中の広翅類ヘビトンボなど)から分化したと推定される。
→関連項目甲虫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鞘翅類」の意味・わかりやすい解説

鞘翅類
しょうしるい
Coleoptera; beetle; weevil

鞘翅目に属する昆虫の総称。甲虫類ともいう。微小ないし大型の昆虫で,革質または角質の外骨格におおわれる。翅は2対あるが,後翅が退化または欠如するものが多く,2対とも欠如するものもある。前翅は翅鞘 (エリトラ) または上翅といい,体と同質で硬く,飛翔には役立たないが,中・後胸部および腹部の全部または一部をおおう。普通中央で直線状に合わさるが,左右が融合して離れないものもある。後翅は膜状で翅脈は少く,飛翔時以外はたたんで翅鞘の下に納められる。複眼は顕著であるが退化するものもある。普通単眼を欠き,触角は 11節から成る。口器は咀嚼型。大腮は強壮でときに巨大となる。前胸は独立し,後方に顕著なくびれがある。腹部の末端節は雌では体内に納められる産卵管となるものがある。肢は多様化が著しく,跗節は1~5節で,5節が普通である。完全変態をし,幼虫は地虫型またはカンポデア (シミ) 型で常に腹脚を欠く。蛹は肢が体から離れて突き出している裸蛹である。全動物中最大の目 (もく) で,既知種は 26万種以上,日本産は 8000種をこえる。海中を除くほとんどあらゆる環境にすみ,食性を含む習性の多様化が著しい。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鞘翅類」の意味・わかりやすい解説

鞘翅類
しょうしるい

昆虫綱甲虫目の別名。甲虫の前ばねはほかの昆虫と異なり、厚く堅くなり後体部背面を左右から覆い、中央で相接しており、背面を覆う鞘(さや)の役を果たしているのでこの名がある。

[中根猛彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「鞘翅類」の意味・わかりやすい解説

鞘翅類 (しょうしるい)

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世界大百科事典(旧版)内の鞘翅類の言及

【甲虫】より

…この名は学名のColeoptera,英名のbeetle,ドイツ名のKäferに対して,明治時代に甲翅虫と訳されたものから甲虫となった。また上翅(前翅)が鞘状となって背面を覆うことから,専門語として鞘翅目(鞘翅類)と呼ばれるようになった。甲虫は昆虫界最大のグループ(目)で既知種の約4割を占め,世界から約30万種,日本から8000種あまりが知られる。…

※「鞘翅類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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