靫負部(読み)ゆげいべ

精選版 日本国語大辞典 「靫負部」の意味・読み・例文・類語

ゆげい‐べ ゆげひ‥【靫負部】

〘名〙 令制前、地方国造支配下人民中央に集めて作った大王の親衛隊。ゆきえべ。ゆきべ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「靫負部」の意味・読み・例文・類語

ゆげい‐べ〔ゆげひ‐〕【×部】

大化前代国造くにのみやつこ子弟で構成され、朝廷警衛にあたった品部しなべ靫部ゆきべ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「靫負部」の意味・わかりやすい解説

靫負部
ゆげいべ

古代の部(べ)の一種。舎人部(とねりべ)とともに、倭(やまと)王権の親衛軍の中核を構成していたとみられる。「靫部」ともつくり、実例としては、刑部靫部(おさかべのゆげいべ)、白髪部靫負(しらがべのゆげい)、勾靫部(まがりのゆげいべ)などで、名代(なしろ)・子代(こしろ)との密接な関連がうかがえる。かつては、大伴連(おおとものむらじ)氏の負名品部(ふみょうともべ)とする見解もあったが、今日では、舎人(とねり)・膳夫(かしわで)などとともに、国造(くにのみやつこ)の子弟よりなる靫負(トモ)と、それを資養すべく設置された名代・子代(べ)を、大伴氏が統轄するという、官司制的な構造をもつ組織とみられている。そして令(りょう)制下では、衛門府(ゆげいのつかさ)に機能の一部が継承されている。

[大橋信弥]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「靫負部」の意味・わかりやすい解説

靫負部
ゆげいべ

大化改新以前,朝廷を守護した品部国造の子弟を貢上させて組織した。改新以後は令制の衛門府に継承された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android