面打ち(読み)ツラウチ

デジタル大辞泉 「面打ち」の意味・読み・例文・類語

つら‐うち【面打ち】

面当つらあ」に同じ。
「嫁を憎んで去りし故、子は―に自害せし」〈浄・宵庚申

めん‐うち【面打ち】

面を打つこと。また、その人。特に、能面作者
素焼きの銭形・面形めんがたなどのめんこを用いて勝負する子供の遊び。

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改訂新版 世界大百科事典 「面打ち」の意味・わかりやすい解説

面打ち (めんうち)

能面作家に特有の呼称能面を制作することを〈打つ〉という。これは世阿弥の《申楽談儀》に〈日光打〉とか〈文蔵打の本打也〉とあるように,中世末期からの慣用で,本来〈魂を打ち込む〉意をこめてのことともいわれている。そのころから現代まで,〈面打ち〉は〈面作者〉と同様に用いられているが,これは能・狂言面の作者に限った用語である。
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