精選版 日本国語大辞典 「非」の意味・読み・例文・類語
ひ【非】
[1] 〘名〙
① 常でないこと、非常、病気など。
※参天台五台山記(1072‐73)六「頗良薬。七服七粒臨レ非以二生薑湯一呑下」
② (形動) 道理に合わないこと。正しくないこと。また、そのさま。「理」や「是(ぜ)」に対して用いる。
※平家(13C前)一「非をもて理とす」 〔書経‐説命中〕
③ まちがっているところ。よくない点。悪い点。欠点。
※正法眼蔵(1231‐53)重雲堂式「にくむこころにて、ひとの非をみるべからず」
④ (形動) うまくゆかないこと。不利な状態にあること。また、そのさま。
※徒然草(1331頃)二一一「身をも人をも頼まざれば、是なる時はよろこび、非なるときはうらみず」
⑤ 悪いと言い立てること。そしること。非難。→非を打つ。
※浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)上「大概非(ヒ)のいらぬ程の御用の間(ま)には合せませう」
[2] 〘接頭〙 名詞または形容動詞に付いて、それに該当しない、それ以外である意を添える。「非参議」「非社会性」「非現実的」など。
※米沢本沙石集(1283)五「御分達は本より非(ヒ)学生にて」
ひ‐・す【非】
〘他サ変〙 非難する。そしる。
※平家(13C前)二「彼を是し我を非し、我を是し彼を非す、是非の理誰かよく定むべき」
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