青髭（読み）あおひげ

精選版 日本国語大辞典

あお‐ひげ あを‥【青髭】

[1] 〘名〙

① もみあげから顎にかけて髭を剃った跡が青いこと。また、青くなっているところ。

※滑稽本・大千世界楽屋探（1817）標目「鼻毛と白髭と青髭(アヲヒゲ)と身上話」

② 芝居の隈取(くまどり)の一種。もみあげの辺から顎にかけて青黛(せいたい)を塗って、髯(ほおひげ)を剃った跡のように見せるもの。色敵、敵役に用いる。

※洒落本・後編風俗通（1775）属淫風四相「青髭へ紅粉(べに)を付ようはづはなし」

③ 濃く生やしたひげ。

※談義本・教訓乗合船（1771）五「耳を攲(そばだて)て居たる、惣髪の青髭(アヲヒゲ)、きょろきょろ眼(まなこ)、四十余りの侍」

[2] 一七世紀フランスの作家シャルル=ペロー作の童話「青ひげ（原題Barbe-Bleue）」の主人公。六人の妻を殺し、死体を密室に隠しておくが、七人目の妻にみつけられ、その兄弟によって殺される。

出典　精選版 日本国語大辞典