青砥綱義(読み)あおと・つなよし

朝日日本歴史人物事典 「青砥綱義」の解説

青砥綱義

没年天明8(1788)
生年正徳3(1713)
江戸中期の村上藩士,越後三面川種川制度の創設者。越後国(新潟県)岩船郡村上町生まれ。通称武平次。種川制度とは,綱義が宝暦12(1762)年より開始した鮭の回帰・溯上性を利用した増殖方法で,川の分流のひとつに籬を建て鮭の溯上を阻止し,そこで産卵を促す方法。これが事業化し村上藩の殖産興業と明治維新以後の士族授産事業に貢献した。しかし,これは,産卵後の鮭の漁業権を町民の入札制としたため,上流天領村民と鮭をめぐる争いのもととなった。<参考文献>須藤和夫『三面川サケ物語』,吉原友吉「越後国三面川における鮭の種川制度」(『東京水産大学論集』10号)

(伊藤康宏)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「青砥綱義」の解説

青砥綱義 あおと-つなよし

1713-1788 江戸時代中期の武士
正徳(しょうとく)3年生まれ。越後(えちご)(新潟県)村上藩士。三条役所につとめ,宝暦-明和年間に三面川(みおもてがわ)の河床をサケが産卵しやすいように工夫し種川(たねがわ)をもうけ,サケの自然増殖をすすめる。漁獲高増により藩財政の立て直しに貢献。サケの増殖は藩の主要産業となった。天明8年4月26日死去。76歳。本姓は金沢。通称は武平次。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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