青島神社(読み)あおしまじんじや

日本歴史地名大系 「青島神社」の解説

青島神社
あおしまじんじや

[現在地名]宮崎市青島二丁目

青島の中央にある。祭神は天津日高彦火火出見尊・塩筒大神・豊玉姫命。境内の末社には豊玉彦命・少彦名命を祀る海積わだつみ神社、彦火瓊瓊杵尊・木花咲耶姫命・磐長姫命を祀るいそ神社のほか、氏子祖霊および氏子戦病死者の霊を祀る御祖みおや神社、同社の元宮がある。境内坪数一万三千坪余。妻入流造の本殿と流造の拝殿がある。「青島大明神」「歯朶浮島」「加茂都久志磨」「淡島」とも称したが(「飫肥藩神社調」宮崎県史蹟調査など)、明治維新時に青島神社と称した。現在島には橋が架かり歩行で参拝できるが、江戸時代には平時は舟を利用し潮干時のみ歩行での参詣が可能であった。創建は明らかでないが、文明一三年(一四八一)に伊東祐尭が所堂三斗五升蒔・所田三斗五升蒔の計七斗蒔を寄進したと伝え、棟札も九枚が残る。棟札によると、文亀三年(一五〇三)三月二五日伊東祐真により再興、大永三年(一五二三)三月には伊東祐長、天正六年(一五七八)一〇月一五日には伊東義祐によって再興された。日向が島津氏の領国となった後、同一三年一一月一一日夜、青島へ水鳥があまた飛来したのを見て、宮崎地頭上井覚兼は翌早朝をねらって猟をするために青島へ渡り、当社拝殿に泊まったが、あまりの寒さに深夜まで神主俳諧歌などをして戯れている(上井覚兼日記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「青島神社」の意味・わかりやすい解説

青島神社
あおしまじんじゃ

宮崎市青島に鎮座。天津日高彦火火出見命(あまつひだかひこほほでみのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、塩筒大神(しおづつのおおかみ)を祀(まつ)る。創建年代は不詳であるが、社伝によれば、嵯峨(さが)天皇(在位809~842)のときに、青島大明神(みょうじん)を崇(あが)め祀ったことが、古書にみえるという。境内地の青島には、熱帯および亜熱帯植物が繁茂する。文亀(ぶんき)年間(1501~1504)以降は伊東藩の崇敬が厚く、たびたび社殿の改築が行われた。例祭は10月18日。旧3月16日に春祭、旧6月17、18日に夏祭、旧12月17日に冬祭が行われる。

[落合偉洲]

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世界大百科事典(旧版)内の青島神社の言及

【青島】より

…これらの植物は1921年に特別天然記念物に指定された。彦火火出見命(ひこほほでみのみこと),豊玉姫命,塩筒大神をまつる青島神社があり,縁結びの神として知られる。【下村 数馬】。…

※「青島神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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