霜月(読み)そうげつ

精選版 日本国語大辞典 「霜月」の意味・読み・例文・類語

そう‐げつ サウ‥【霜月】

〘名〙
① 霜と月の光。
霜夜のさえざえとした月。
菅家文草(900頃)四・庚申夜述所懐「故人詩友苦相思、霜月臨窓独詠時」
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「燕子楼の霜月(サウゲツ)に夜々心を傷しむ」 〔王勃‐寒夜懐友雑体詩〕
③ 陰暦一一月の異称。しもつき。
※春林本下学集(室町末)「霜月 サウゲツ シモツキ 此月霜始降也」

しも‐つき【霜月】

〘名〙 陰暦一一月の異称。霜降月(しもふりづき)霜見月。《季・冬》
書紀(720)神武即位前(北野本室町時代訓)「十有一月(シモツキ)の癸の亥朔己巳のひ」 〔色葉字類抄(1177‐81)〕

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デジタル大辞泉 「霜月」の意味・読み・例文・類語

しも‐つき【霜月】

陰暦11月の異称。霜降月。 冬》「―や日まぜにしけて冬籠去来

そう‐げつ〔サウ‐〕【霜月】

霜と月の光。
霜の降りた夜の、冷たく澄んだ月。
陰暦11月の異称。しもつき。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「霜月」の意味・わかりやすい解説

霜月
しもつき

陰暦11月の異称。だいたい陽暦の12月にあたる。この月になると霜がしきりに降るから霜降月といったのが、霜月に転じたといい、露ごもりの葉月、神楽(かぐら)月、雪待月などともいう。冬も深みゆく季節で、まだ極月(ごくげつ)師走の慌ただしさは世間にもみられず、冬の季節に入ったことをしみじみと味わう日々が続く。歌舞伎(かぶき)の世界では、この月の1日を顔見世といい、元旦(がんたん)の心でこの日を祝うが、これは中国古代の周の風俗に倣ったものともいい、周正(しゅうせい)、周の正月などの名もある。

[宇田敏彦]

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とっさの日本語便利帳 「霜月」の解説

霜月

一一月。霜降月(しもふりつき)の略。

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