(読み)みぞれ

精選版 日本国語大辞典 「霙」の意味・読み・例文・類語

みぞれ【霙】

〘名〙
① 溶けかけた雪と雨がまざって降るもの。氷雨。《季・冬》
書紀(720)皇極二年二月(岩崎本訓)「風ふき雷なりて雨氷(ミソレ)ふる」
多聞院日記‐永祿一〇年(1567)一二月二二日「竹下へみそれ一荷・醤〈一器〉遣之」
かき氷に蜜をかけたもの。

みぞ・れる【霙】

〘自ラ下一〙 みぞ・る 〘自ラ下二〙 (「みぞれ(霙)」の動詞化) みぞれが降る。《季・冬》
千載(1187)春下・八二「春雨にちる花みればかきくらしみぞれし空の心地こそすれ〈藤原長家〉」

みぞ・る【霙】

〘自ラ下二〙 ⇒みぞれる(霙)

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デジタル大辞泉 「霙」の意味・読み・例文・類語

みぞれ【×霙】

雪が空中でとけかかって、雨とまじって降るもの。ひさめ。 冬》さびしさの底ぬけて降る―かな/丈草
かき氷に蜜をかけたもの。すい
[類語]氷雨あられひょう白雪はくせつ白雪しらゆきダイヤモンドダスト淡雪綿雪牡丹雪粉雪細雪締まり雪ざらめ雪小雪風花大雪豪雪どか雪吹雪吹雪く地吹雪雪嵐暴風雪ブリザード雪煙初雪新雪積雪根雪万年雪深雪しんせつ深雪みゆき残雪春雪

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改訂新版 世界大百科事典 「霙」の意味・わかりやすい解説

霙 (みぞれ)

とけかかって降る雪,あるいは雨まじりに降る雪,またはその現象をいう。地上気温がプラス数℃のとき,上空から降ってきた大きな雪片ぼたん雪)は地上付近のプラスの温度領域を落下するうちに半ばとけ,ぬれた雪片となる。小さな雪片はとけて雨になる。これらが混じって降ってくるのがみぞれである。水分を含んでいるので物体に付着しやすく,電線着雪などの原因となる。
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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「霙」の解説

みぞれ【霙】

砂糖みつをかけたかき氷。
②すりおろした大根かぶを用いる料理調味料に冠する言葉。特に、大根。みぞれ和え・みぞれ鍋・みぞれ酢などがある。
道明寺粉やしんびき粉を用いる料理や菓子に冠する言葉。特に、道明寺粉。みぞれ揚げ・みぞれかんなどがある。◆みぞれの白い色、雨と雪が混じったさま、舞い散るさまなどに見立てていう。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【雨】より

…長くは続かず数分~十数分で雨か雪になる。(j)みぞれ 溶けかかった氷粒子や雪片が混じっている雨。(k)夕立 白雨ともいい,夏の午後から夕方など急に空が曇ってざあざあ降り出すしゅう雨。…

※「霙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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