電荷捕そく剤(読み)デンカホソクザイ

化学辞典 第2版 「電荷捕そく剤」の解説

電荷捕そく剤
デンカホソクザイ
charge scavenger

たとえば,放射線化学において,正または負イオンあるいは電子のような電荷をもった反応中間体が反応にどのように寄与しているかを調べる目的で,反応系に加えられる物質をいう.電子捕そく剤プロトン捕そく剤などがあるが,単に電荷のみを奪うものも含まれる.正電荷の場合はイオン化電位の大きい化合物から小さい化合物へ,負電荷の場合は電子親和力の小さい化合物から大きい化合物へ,それぞれ電荷の移動が可能である.したがって,これらの場合にはイオン化電位の小さい化合物か,あるいは電子親和力の大きい化合物が選ばれる.電荷捕そく剤にとって重要な条件の一つは,電荷をもたない中性の反応中間体に比べ,電荷をもった中間体(イオン種あるいはイオン的分子種という)に対して,選択的に大きな反応性をもっていることである.イオン種捕そく剤という場合もある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android