電気鉄道(読み)デンキテツドウ(英語表記)electric railway

デジタル大辞泉 「電気鉄道」の意味・読み・例文・類語

でんき‐てつどう〔‐テツダウ〕【電気鉄道】

電気動力として車両を走らせる鉄道電鉄

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精選版 日本国語大辞典 「電気鉄道」の意味・読み・例文・類語

でんき‐てつどう ‥テツダウ【電気鉄道】

〘名〙 電車線または第三軌条から供給される電気を動力にして、車両の運転を行なう鉄道の総称。路面電気鉄道、高速電気鉄道、地下鉄道モノレール、リニヤモーターカー、トロリーバスがある。電鉄。
風俗画報‐一五号(1890)本館及各館「表門外の東道より東門に至るまでには電気鉄道の布設あり」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「電気鉄道」の意味・わかりやすい解説

電気鉄道
でんきてつどう
electric railway

電気を動力とする鉄道。蒸気ディーゼル、ガソリンなどの動力に比べて、(1)エネルギーの利用が効率的、(2)牽引(けんいん)力が強い、(3)速度が速い、(4)車両の運用効率が高い、(5)取扱いが簡単、(6)地上設備に投資が必要だが、その後の所要経費が少ない、(7)煤煙(ばいえん)や排気ガスを生じない、などが特徴である。

 1879年ドイツのベルリン勧業博覧会にE・W・ジーメンスが出力2.2キロワットの小型電気機関車を出品して人を輸送したのが最初で、81年にはベルリン郊外で路面電車の営業を開始した。世界の各都市でもまず路面電車に始まり、その後、高架鉄道、地下鉄など大型の都市近郊鉄道に発展した。従来の蒸気鉄道区間でも、山岳地帯などで電力が得やすく、トンネルや急勾配(こうばい)で蒸気機関車では運転のむずかしい区間から利用され、産業の発展とともに輸送密度の高い幹線が高速輸送のために電化された。日本の都市近郊鉄道も、東武鉄道南海電気鉄道は蒸気鉄道として発足してその後電化され、京浜急行電鉄や阪急電鉄は電気鉄道として出発している。また、日本ではJRの幹線はすべて電化されている。

[西尾源太郎]

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百科事典マイペディア 「電気鉄道」の意味・わかりやすい解説

電気鉄道【でんきてつどう】

電気を動力として列車を運転する鉄道の総称。電源には直流,交流の別がある。架線から集電するのが普通であるが,サードレール(第三軌条)によることもある。運転方式には電気機関車列車と電車列車の2方式がある。蒸気鉄道に比べ,電気施設の建設・保守に経費を要するが,エネルギー効率の格段の上昇,電気車のすぐれた性能による輸送力増強,サービス向上などが図れる利点がある。日本の電気鉄道は市街鉄道や都市近郊鉄道に始まったが,大正から昭和にかけて直流による鉄道電化が進められ,特に第2次大戦後は交流電化も加えて電化の進展が著しい。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電気鉄道」の意味・わかりやすい解説

電気鉄道
でんきてつどう
electric railway

電気を動力として運転させる鉄道。電源の種類と集電方式で分類される。電源には直流と交流があり,電圧は,直流の場合,600V,750V,1500V,交流では2万~2.5万Vが使用されている。集電方式は,架空電車線式と第3軌条式がある。電気鉄道の起りは,1834年アメリカで製作された電池式模型列車であるとされ,実用化は 79年のベルリン博覧会で,蒸気機関車の実用から 75年後のことである。また日本では 90年東京上野の博覧会で小型電車を走らせ,95年京都市の塩小路-伏見で営業運転を始めた。電気鉄道の営業キロは,JR1万 8229km,私鉄 6620km,営業キロに対する電化率は,JR52.3%,私鉄は 71.4%となっている (1989末) 。 JRの電化キロ数は年々増加しているが,私鉄では,地方線,路面電車の廃止により,漸減している。

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改訂新版 世界大百科事典 「電気鉄道」の意味・わかりやすい解説

電気鉄道 (でんきてつどう)

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世界大百科事典(旧版)内の電気鉄道の言及

【鉄道】より

…他方,都市への人口の集中,都市の外延的拡大は,都市近郊・都市間(電気)鉄道を中心に私鉄の新たな発展をもたらした。すでに関西では,1907年に南海鉄道(南海電気鉄道の前身)が電化に乗り出し,10年には箕面(みのお)有馬電気軌道(阪急電鉄の前身)が開業するなど,都市近郊鉄道の発展をリードしていた。関東でも12年に京成電気軌道(京成電鉄の前身),13年には京王電気軌道(京王帝都電鉄の前身)が開業し,そして関東大震災後の24年以降には東武鉄道が電化を開始し,26年には東京横浜電鉄(東京急行電鉄の前身),27年には小田原急行鉄道(小田急電鉄の前身)が開通,また旧西武鉄道が電化新線(西武新宿線の前身)を建設し,さらに33年には帝都電鉄(京王帝都電鉄の前身)が開通した。…

※「電気鉄道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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