雲霧(読み)うんむ

精選版 日本国語大辞典 「雲霧」の意味・読み・例文・類語

うん‐む【雲霧】

〘名〙
。うんぶ。
※家伝(760頃)下「入此山、疾風雷雨、雲霧晦暝、群蜂飛螫」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)出羽三山「雲霧山気の中に、氷雪を踏でのぼる事八里」 〔列子‐瑞〕
② 人の眼前をおおい、また、胸中をふさぎ、知識や判断を迷わせるもののたとえ。
※東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初「人民蒙昧の雲霧を出て、而て文華の錦繍に入り」 〔顔氏家訓‐勉学〕

くも‐きり【雲霧】

〘名〙 雲と霧。雲または霧。うんむ。
書紀(720)神代上「雲霧を跋渉(ふみわたり)、遠くより来参つ」

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デジタル大辞泉 「雲霧」の意味・読み・例文・類語

うん‐む【雲霧】

雲と霧。
「果然山谷に満ちし―の陣破れて」〈蘆花自然と人生
心中のわだかまりをたとえていう語。
「正雄の胸の暗い―は…跡方もなく吹き払われた」〈小山内・大川端〉
[類語]ガススモッグ朝霧夕霧夜霧狭霧海霧かいむ海霧うみぎり煙霧濃霧

くも‐きり【雲霧】

雲と霧。雲または霧。うんむ。

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普及版 字通 「雲霧」の読み・字形・画数・意味

【雲霧】うんむ

雲霧のこもる状態。〔晋書、楽広伝〕此れ人の水、之れを見るに瑩然、雲霧を披(ひら)きて天を覩()るが(ごと)し。

字通「雲」の項目を見る

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