精選版 日本国語大辞典 「雲隠」の意味・読み・例文・類語
くも‐がく・る【雲隠】
[1] 〘自ラ四〙
① 雲の中に隠れる。くもいがくる。
※万葉(8C後)三・四四一「大皇の命恐(みことかしこ)み大荒城(おほあらき)の時にはあらねど雲隠(くもがくり)ます」
[2] 〘自ラ下二〙
① (一)①に同じ。
※後撰(951‐953頃)秋中・三四〇「女郎花ひる見てましを秋の夜の月の光は雲がくれつつ〈よみ人しらず〉」
② (一)②に同じ。
③ 心がはればれしない。
くも‐がくれ【雲隠】
[1] 〘名〙
① 雲に隠れること。くもいがくれ。
※拾遺(1005‐07頃か)恋三・七八四「逢ふ事は片われ月の雲がくれおぼろげにやは人の恋しき〈よみ人しらず〉」
② 隠れて見えなくなること。人が姿を消すこと。
※拾遺(1005‐07頃か)恋三・七八五「秋の夜の月かも君はくもがくれしばしも見ねばここら恋しき〈柿本人麻呂〉」
③ 高貴な人の死。
※匠材集(1597)三「雲かくれ 人逝去の事也」
くも‐がくり【雲隠】
※万葉(8C後)一〇・二二九九「秋の夜の月かも君は雲隠(くもがくり)しましく見ねば幾許(ここだ)恋ひしき」
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