雲辺寺山(読み)うんぺんじさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「雲辺寺山」の意味・わかりやすい解説

雲辺寺山
うんぺんじさん

香川・徳島県境の讃岐(さぬき)山脈西部の高峰標高927メートル。砂岩、集塊岩、頁(けつ)岩からなる和泉(いずみ)砂岩層の地形で、傾斜の急な山腹に対し頂上平坦(へいたん)。頂上の徳島県側に四国八十八か所の66番札所雲辺寺がある。徳島県側からは自動車道が通じるが、遍路道は香川県側にあり、里程標や道しるべが多く残されている。頂上はよい展望台で、三豊(みとよ)平野や燧灘(ひうちなだ)に沈む夕日はとくに美しい。1987年(昭和62)、香川県大野原(おおのはら)町(現、観音寺(かんおんじ)市)から雲辺寺ロープウェイが開通、雲辺寺への参拝が便利になるとともに、観光客も増えている。

[稲田道彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「雲辺寺山」の意味・わかりやすい解説

雲辺寺山 (うんぺんじさん)

讃岐山脈西部,徳島県三好市と香川県観音寺市の境にある山。標高911m。山頂にある雲辺寺(千手院)は四国霊場八十八ヵ所第66番の札所で,比較的高い山地の古刹(こさつ)として知られている。権威ある寺として崇敬され,16世紀末,長宗我部元親の阿波侵攻の際も雲辺寺だけは手をつけることができなかった。寺は徳島県三好市の旧池田町にあるが,四国霊場の順序からすると,〈66番讃州の寺〉となっている。山頂は寺社林で,杉,モミ,ツガが茂り,樹林下のハイキングが楽しめる。頂上の展望がすぐれ,北に讃岐平野,南に四国山地の景観が美しい。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雲辺寺山」の意味・わかりやすい解説

雲辺寺山
うんぺんじさん

徳島県北西部の三好市と,香川県南西部の観音寺市との境にある讃岐山脈の一峰。標高 927m。山頂の徳島県側にある雲辺寺は四国八十八ヵ所の第 66番札所で,国の重要文化財指定の千手観音坐像,毘沙門天立像などがある。山頂の北側に観音寺市から全長約 2600mのロープウェーが通じる。

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事典・日本の観光資源 「雲辺寺山」の解説

雲辺寺山

(香川県観音寺市)
香川のみどり100選」指定の観光名所。

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